「天井裏から音がする」「フンを見つけた」「見分け方を確認してハクビシンかもしれない」――そう考えたとき、次に気になるのは「自分で追い出せるのか」「何をすればいいのか」だと思います。
先にお伝えすると、この記事はハクビシンだと確定していない段階でも読める内容です。姿や足跡などの手がかりをまだ確認できていない場合は、決めつけずに、まず可能性を整理することから始めます。
この記事では、自分でできる追い出し・予防の範囲、捕獲との違い、そしてアライグマなど似た被害を起こす動物との違いを整理します。
ハクビシンかどうか、まず確認する
音やフン、臭いだけでは、ハクビシンだと決めつけることはできません。姿・顔・尾・足跡・体色など、複数の手がかりを組み合わせて確認することが必要です。
まだ手がかりを確認できていない場合は、先に見分け方を整理した記事を確認することをおすすめします。
天井裏の音やフン、臭いなど、気になる症状から確認したい場合は、それぞれの記事も参考になります。
ハクビシンを自分で追い出す方法はある?
自治体によって案内されている方法が異なる
ハクビシンへの対応方法は、自治体によって案内が分かれています。
仙台市の案内では、侵入口をふさぐこと、庭木の剪定、生ごみやペットフードを放置しないことなど、侵入させないための予防策が中心で、忌避剤などを使って積極的に追い出す方法までは案内されていません。
一方、市川市の案内では、予防策とあわせて「忌避剤を活用する」という記載があります。
東京都環境局は、ハクビシンとアライグマの対策について、忌避剤や燻煙剤を使って追い出すことに慎重な立場を示しています。追い出された個体が別の家に移動し、そこで新たな被害が起きる可能性があること、忌避剤の使用は数を減らすという根本的な対応にはつながらないことを挙げています。
このように、同じハクビシンへの対応でも、自治体によって案内の重点が異なります。「これをすれば必ず追い出せる」という一つの正解があるわけではないことを、まず理解しておく必要があります。
忌避剤だけで解決するとは限らない
忌避剤や燻煙剤を、家庭で使える追い出しの方法として案内している自治体はあります。ただし、これらの方法だけで再侵入まで防げるとは限りません。前述のとおり、追い出した個体が別の場所に移動するだけで、根本的な解決にならない場合があることも公的な資料で指摘されています。
忌避剤等を使う場合も、次に説明する侵入口対策とあわせて考える必要があります。
侵入を繰り返さないために確認したいこと
侵入口を探す
換気口、屋根のすき間、床下の通気口など、ハクビシンが出入りできそうな場所がないかを確認します(仙台市・市川市の案内より)。
餌になるものや周辺環境を確認する
生ごみやペットフードを屋外に放置しないこと、庭木の枝が屋根に接していないか(接している場合は剪定を検討すること)も、複数の自治体が共通して挙げている確認点です。
捕まえることと追い出すことは同じではない
ハクビシンの捕獲には許可が必要
ハクビシンは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」の対象です。市川市の案内でも、県からの許可なく捕獲することは禁止されていると明記されています。
一方、忌避剤や音、光などを使って自発的に立ち去らせる「追い出し」そのものが、法律上どう扱われるかを直接説明した公的な資料は、今回確認できませんでした。そのため、この記事でも「追い出しには許可がいらない」とは断定しません。確実に言えるのは、わななどで捕まえる「捕獲」には許可が必要だという点です。
自分で捕獲器を設置する前に自治体へ確認する
環境省の資料では、住宅等の建物内での被害を防ぐ目的で、土地の所有者自身が小型の箱わなを使って捕獲する場合、狩猟免許を持っていなくても捕獲の許可を申請できる制度があることが説明されています。この制度はアライグマの防除に関する資料で確認したものですが、鳥獣保護管理法そのものの許可捕獲に関する仕組みであるため、同法の対象であるハクビシンにも関係する可能性があります。ただし、実際に申請できるかどうかや手続きの詳細は、自治体によって異なる場合があります。
自分で捕獲器を設置しようとする前に、まずお住まいの自治体の窓口に相談し、許可の要否や手続きを確認することをおすすめします。
アライグマの可能性がある場合は扱いが異なる
住宅への被害という点では、アライグマもハクビシンと似た症状(天井裏への侵入、フン尿による汚損など)を起こすことがある動物として候補にあがります。
ただし、法律上の位置づけは同じではありません。ハクビシンは鳥獣保護管理法の対象であるのに対し、アライグマは鳥獣保護管理法に加えて、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」の対象でもあります。神戸市の案内では、外来生物法により、アライグマを野外へ放つことや、飼育・販売・輸入が原則禁止されていることが説明されています。
姿や足跡など、どちらの動物かまだ判断がついていない場合は、見分け方を整理した記事を確認してください。
アライグマそのものの追い出し方法については、この記事では扱いません。
自分で対応するか、相談するか
次のような場合は、自分だけで判断せず、自治体や専門家への相談を考える目安になります。
- 何の動物か、姿や跡だけでは判断がつかない
- 天井裏など、自分では安全に確認できない場所で起きている
- 忌避剤等を試しても改善が見られない
- 捕獲を検討する必要が出てきた
自治体によって相談できる範囲や案内している対策は異なります。まずはお住まいの自治体の環境担当窓口に、状況を伝えて確認することになります。
まとめ
ハクビシンかどうかは、音やフンだけでは断定できません。追い出しの方法は自治体によって案内が分かれており、忌避剤だけで確実に解決するとも限りません。捕獲には許可が必要で、追い出しについては公的な扱いを直接確認できていないため、この記事でも断定していません。アライグマの可能性がある場合は、外来生物法という別の法律が関わる点が異なります。まずは状況を整理し、必要に応じて自治体に相談することが、次の一歩になります。