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ネズミ駆除は自分でできる?DIYの範囲と業者に相談する目安

自分でできる範囲と相談の目安を示すアイコンイラスト
この記事で分かること
  • ネズミ対策の全体像(捕まえるだけでは終わらない理由)
  • 自分で始めやすいこと
  • 使用上の注意を確認して行うこと(粘着トラップ・殺そ剤・忌避剤・侵入口)
  • 専門家や自治体への相談を検討する目安

記事2でネズミらしいサインを確認できたら、次に気になるのは「自分で何とかできるのか」だと思います。

この記事は、粘着シートや殺そ剤の使い方を細かく紹介する記事ではありません。お伝えしたいのは、ネズミ対策は目の前の一匹を捕まえて終わりではなく、餌・巣・通り道・侵入口・再侵入まで見ていく作業だということです。

そのうえで、自分で始めやすいこと、使用上の注意を確認して行うこと、専門家や自治体への相談を検討したほうがよい状況を整理します。

ネズミ対策は「目の前のネズミを捕まえること」ではない

公的な資料では、ねずみの防除は「生息状況の調査を重視した」進め方が基本とされ、次の順で考えるとされています(東京都・ねずみ防除読本)。

  1. ねずみの種類を見分ける
  2. 侵入経路と、住み着く原因(餌場・巣になる場所)を明らかにする
  3. それに合った対策を行う

そのうえで、対策の柱は環境を整えること――餌を与えない、巣材を与えない、住まいへの出入りと建物内の移動を防ぐ――の3つで、「人や環境に最も影響が少なく、効果が持続する」とされています。捕獲器や殺そ剤は、この環境を整える対策の補足という位置づけです(東京都・ねずみ防除読本)。江東区も「(捕獲や殺そ剤は)一時的な解決に過ぎないため、屋内にねずみを発生させない等の根本的な解決に努めることが最も重要」としています。

全体像をならべると、おおよそ次のようになります。

  • ねずみの生息状況(種類・通り道・餌場・巣)を確認する
  • 餌になるものを減らす
  • 巣になりやすい環境(たまり場・すき間)を減らす
  • 移動経路・侵入口を確認する
  • 必要に応じて捕獲・殺そ剤などを使う
  • 侵入口をふさいで再侵入を防ぐ

ただし、これらを「必ずこの順番でやる」という決まった手順として公的資料が示しているわけではありません。この記事でも、独自の「○ステップ必勝法」は作りません。大事なのは、どれか一つだけでは戻ってきやすい、ということです。

自分で始めやすいこと(まず環境を整える)

捕獲や薬剤より先に、環境を整えるところから始めます。

餌になるものを減らす

  • 食品は、ふたつきの容器や、しっかり閉まる戸棚、冷蔵庫にしまう(ビニール袋やダンボールに入れただけではかじられる)
  • 生ごみはふたつきの容器に入れ、ふたを閉める
  • 仏壇の供物や花、ペットの餌、野鳥の餌台の餌は、夜には片付ける

(東京都・ねずみ防除読本)

巣になりやすい環境を減らす

  • 衣類やタオルなどの布製品は、丈夫な収納ケースに入れる(ダンボールは不可)
  • 紙類・布類のたまり場を作らない。不要なものは処分する
  • 家の壁沿いに物を置かない(ねずみの隠れ場所になる)。屋外の整理整頓も同じ
  • 天井裏、家具と壁のすき間、物置などに巣が作られていないか、届く範囲で時々点検する

(東京都・ねずみ防除読本)

痕跡と侵入口候補を記録する

フン・かじり跡・こすり跡・音などのサインの種類・場所・日付を書き出します(→ ネズミが家にいるサインは?)。あわせて、家のまわりのすき間や穴を、屋上・軒から地面まで見て回ります。外から見つけにくいときは、屋内側から外壁の内側を見ると、こすり跡などから侵入口が分かることがあります(東京都・ねずみ防除読本)。ふさぐ作業は次の章で扱います。

相談先を知っておく

ねずみの相談は、お住まいの区役所・保健所などで受け付けています。粘着シートや殺そ剤のサンプルを配っている自治体もあります(新宿区・江東区・船橋市など。内容は自治体によって異なります)。

使用上の注意を確認して行うこと

ここからは、製品や道具を使う対策です。設置枚数や配置、効果は製品や状況で変わるため、この記事では独自の数字や「これで必ず捕れる」といった保証は示しません。製品表示・使用上の注意に従うことを基本にしてください。

粘着トラップ・捕獲器

  • 屋内で使う。ねずみの通り道(壁ぎわ)に複数枚を置く
  • 置き場所を頻繁に変えない(東京都・ねずみ防除読本は「最低3日間は変えない」としています)
  • 粘着トラップには餌を置かない
  • カゴ式の捕獲器が向いているのは主にドブネズミで、周りに食品や残飯がない状態で使う

(東京都・ねずみ防除読本)。捕まえたあとの扱いは後の章(捕まえたネズミ・フン・死体の扱い)を参照してください。

殺そ剤(毒えさ)

  • 製品の説明書・使用上の注意をよく読み、守る(東京都・ねずみ防除読本、新宿区)
  • 周りの餌になるものを片づけてから使う。一か所に大量に置かず、少量ずつ複数の場所に置く
  • 乳幼児・小児・ペットが近づける場所では使わない。必ず屋内で使い、食品と区別して子どもの手の届かないところに保管する。使い終わった残りは回収する(船橋市、新宿区)
  • 誤って口にしたときは、製品の説明書・添付文書の応急手当の記載に従い、口の中に残ったものを取り除いて、すぐに医師の診療を受ける。自己判断で無理に吐かせないこと。判断に迷うときは、中毒110番(公益財団法人 日本中毒情報センター。大阪 072-727-2499/つくば 029-852-9999、365日24時間・一般は無料)に相談できます
  • 気温が高い時期は、隠れた場所で死んだねずみが腐敗し、悪臭やウジの原因になりやすい(荒川区、江東区)
  • クマネズミには効きにくいとされ、殺そ剤やわなで対策しても痕跡が続くことがあります

具体的な薬剤名や量は、この記事では扱いません。

忌避剤

においや超音波などの忌避剤は、「他の対策と併用すると効果がある場合がある」という位置づけで案内されています(江東区)。これだけで解決する前提にはしないでください。

侵入口への対策(材料)

侵入口をふさぐときの材料は、小さなすき間には不燃性のパテやモルタル、金属たわし、目の細かい金網(網目1cm以下)、広い面には金網や板、配管には防鼠ブラシ、などが公的資料で挙げられています(東京都・ねずみ防除読本、新宿区、江東区)。対象になるのは、おおむね1〜2.5cm程度のすき間です(資料により1cm/1.25cm/1.5cm/約2.5cmと幅があります)。

天井裏や高所など危険な場所は、専門業者に依頼したほうがよい場合があります。また、配線が配電盤などにつながる部分のすき間をふさぐ作業は、感電の危険があるため電気店に依頼するよう案内されています(東京都・ねずみ防除読本)。

配線について

電気の配線にかじり跡・むき出し・焦げたようなあとが見られる場合は、害獣の相談とは別に、電気設備の安全確認(電気工事店や電力会社への相談)も検討してください。

侵入口をふさぐときに気をつけること

侵入口をふさぐ前に、どこから入っているか(侵入経路)を確認することが前提になります(東京都・ねずみ防除読本)。

もう一つ大事な点として、いきなりすべての侵入口をふさぐと、中に取り残されたねずみが天井裏や床下などで死んで、悪臭やハエの原因になることがあります(墨田区、荒川区)。

「捕獲して何日後にふさぐ」「何日音がしなければ完全にふさぐ」というように、「何日で完全にふさいでよい」と一律に言える方法はありません。段階的にふさいでいく目安を案内している自治体もありますが、中にねずみがいないことを確実に判断できる方法ではありません。この記事でも独自の日数ルールは作りません。中にねずみが残っている可能性があるうちに全部をふさぐのは避け、生息状況を自分で確かめられない・判断に迷うときは、専門業者や自治体に相談してください。

捕まえたネズミ・フン・死体の扱い

  • フン・尿・巣材・死体・捕まえたねずみに、素手で触らない。使い捨て手袋やマスクを着け、換気する
  • 乾いたフンは、そのまま掃いたり掃除機で吸ったりしないでください(粉じんを吸い込むおそれがあります)
  • ねずみがいた場所や巣の周辺には、ねずみに寄生していたダニやノミがいることがあり、殺虫剤での対応が必要になる場合があります(新宿区)
  • 死んだねずみは、新聞紙などで包んでビニール袋に入れます(荒川区、新宿区)。ごみの区分は自治体によって異なる可能性があるため、お住まいの自治体のルールを確認してください(江東区は死骸の処理を清掃事務所に相談するよう案内しています)
  • 消毒のしかたは、自治体や製品の案内に従ってください。具体的な薬剤名・濃度・使用量は、この記事では扱いません

専門家や自治体への相談を検討する目安

自分で始めやすいことと、業者・自治体への相談を検討する目安を2つに分けた図。境界は確実な線引きではなく目安で、上段には無理をせず安全を確認して行うと注記。相談側の3項目(危険な場所での作業、配電盤につながる配線、別の動物か判断できない)は公的資料でも相談が案内されていると示す。

次のような状態は、自分だけで進めるより、駆除業者や自治体の窓口に相談することを検討したほうがよい目安です。

  • 対策をしても、フン・音・かじり跡などの痕跡が続く、またはまた出てくる
  • 侵入口が見つからない、または特定できない
  • 被害や痕跡が、複数の場所にある
  • 天井裏・壁の中・床下など、安全に確認・作業できない場所に及んでいる
  • 配線など、建物の設備に損傷が見られる
  • 捕まえたねずみや死体、フンの片付けに対応できない
  • ネズミなのか、別の野生動物なのか判断できない

このうち、天井裏など危険な場所、配線が配電盤につながる部分の作業、別の動物か分からない場合については、公的資料でも専門業者・電気店・自治体への相談が案内されています。それ以外は、確実な線引きではなく目安です。当てはまれば必ず依頼が必要、という意味ではありません。迷ったときは、まず自治体の窓口に相談できます。

ネズミか別の野生動物か分からないとき

音や痕跡から、ネズミなのか、ハクビシン・イタチ・アライグマ・コウモリなど別の動物なのか、判断がつかないことがあります。

その場合は、自己判断で捕獲などを進めず、自治体などの案内を確認してください。野生の鳥や哺乳類の扱いには法律上の注意があり、その点は天井裏から音がする原因は?で詳しく説明しています。

自分では難しいと感じたら

ここまでで「自分でできる範囲は分かったが、自分では難しそうだ」と感じたら、次は業者ランキングを見る前に、依頼すると何にお金がかかるのかを知っておくのがおすすめです。

効果的な駆除には、事前の生息状況の調査、捕獲、侵入口の修繕、その後の効果の確認まで含めて、複数回の作業が必要になるとされています(東京都・ねずみ防除読本)。費用は、周りの環境・住宅の構造・作業の条件で変わります。

次に確認すること

一次情報・参考資料

まず自分の状況を整理してから、次の一歩を選べます。

家の異変セルフチェックをやってみる